2006年12月11日月曜日

ワンセグとビジネス

最近の携帯電話端末には、いわゆるワンセグ視聴機能が付いている端末も増えてきた。
私はauユーザなのだが、例えばW44S、W43SA、W43Hなんかがワンセグ対応の最新機種だ。

ところで、携帯電話の端末へのワンセグ視聴機能搭載は全く否定しないのだが、この機能がもたらす「端末製造メーカーへのメリット」とは何なのかがちょっと気になる。

携帯電話というサービスモデルにおける登場エンティティは、主に以下の様な感じだろう。
  • キャリア
  • 端末メーカー
  • コンテンツプロバイダ
  • ユーザ

さて、ワンセグ視聴機能とは基本的には「地上波ディジタル放送」の視聴機能なので、垂れ流されるディジタル放送の電波を拾って画面に表示する為の機能だ。つまり、ユーザが勝手に電波を拾ってそれを無償で見ているわけだ。

これだけでは、キャリアにとっても端末メーカーにとっても直接のメリットは無い。直接のメリットとはつまり、ワンセグ視聴に対してリニアに反応するような売り上げは上がらないということだ。何しろ、視聴は無料だし端末は買い切りだから、視聴の為に後から支払うお金は強いて言えば端末のバッテリの充電に使う電気代くらいだ。

したがって、ワンセグ視聴対応機能を携帯端末に追加しても、「この端末ではワンセグが見られます」というだけの付加価値しか提供できないわけで、極端な話全てのキャリア、メーカーからワンセグ対応の端末がリリースされてしまえば、ワンセグ対応は差別化の要素にはならなくなってしまう。

まぁ、コモディティ化してしまう、と言ってしまえばそれまでなのだが、これだけではあまり面白い解決策とは言えない。

そもそも、ネットワークが発達して双方向通信が可能となった現代において、ダウンストリーム限定の垂れ流し通信である「放送」という物のあり方が問われているのかも知れない。

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(12/11 16:50追記)
「ワンセグ」じわり普及 放送と通信連携、手探り否めず

やはり、文中にもある様に「携帯各社は対応端末が増えても通信料が増えなければ、開発費だけが積み重なり、稼ぎが減りかねない。」という懸念は依然として強い様だ。

通信量が増えないと結果的にキャリアは儲けにならないわけで、儲けにならない場合は端末開発のコスト増や端末頒布の為のリベート負担についても厳しくならざるを得ないのだろうと容易に想像できる。

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